湘南地域の早春の風物詩である東海道松並木の「こも外し」が２７日、大磯町東小磯の松並木などで行われた。地元の町立大磯中学校（大磯町東小磯）の３３年生が昨年１１月のこも巻きに続き、こも外しを体験した。
　体験が行われたのは、同中前で通学路にもなっている松並木。生徒らは目の粗いむしろである「こも」を留めた荒縄をはさみで切り、手際良く外した。実行委員の西村一馬君（１５）は「巻くのは一苦労だったけれど、外すのは簡単」と拍子抜けしながらも、「作業を通して、自分たちのまちの誇りである松並木を守っていこうという気持ちが強くなった」と話していた。
　こも外しは松の害虫・マツカレハの幼虫マツケムシが越冬のため幹を伝い地中に移動する性質を利用し、１１月ごろに幹に巻いた「こも」に誘い込み、春に焼却する伝統の駆除法。通常は「啓蟄（けいちつ）」（３月６日ごろ）の前に取り外すが、暖冬の影響で幼虫がこもの中で動き始めていたことから、作業時期を前倒しした。
　作業は２６日から行われ、藤沢市城南から小田原市酒匂間の松約700本のこもが外された。
　　                            （神奈川新聞掲載記事より2004．２．28）